古物商の業務を開始して、はじめて商品が売れた!というときは、なにものにも変え難い達成感がありますよね。
すぐにでも次の商品を売るために作業をしたいところですが、古物商をする上で避けては通れないものがあります。
えっ!ものを仕入れて誰かに売るだけじゃダメなの?!
なに言ってるの
アナタそのままだと古物営業法違反で懲役や罰金が課せられることになるわよ
勉強不足でした・・・
でも、そうはいってもなにが必要なんですか?
まったく・・・
古物台帳と本人確認書類よ
古物商にはこれらの記録を残しておく義務があるの
うーん・・・むずかしくてよくわからないです
なんとかカンタンに教えてください!
仕方ないわね、早速いくわよ
古物台帳とは?
古物商として仕事を始めると、古物台帳を記録として残しておくという義務が発生します。
この古物台帳とは簡単にいうと「いつ・なにを・誰と取引したのか」の記録のことです。
この義務は、盗難品が市場に出回ってしまわぬよう、主に防犯目的で古物商に課せられた義務といえます。
つまり、きちんと古物台帳を残すことで業界の秩序を守ることにつながるのです。
本人確認書類とは?
中古品を取り扱う古物商は、相手と取引をするときに相手方の住所および氏名、職業、年齢を記録しなければなりません。
理由は古物台帳の記入と同じで、万が一盗難品が出回ってしまった時に「どこの誰になにを販売したのか」を明確にしておく必要があるからです。
これは、役所の発行した身分証明書や運転免許証、健康保険証を提示してもらうことが一般的です。
なるほど!
ただものを売るだけじゃダメなんですね
そうよ
ちなみに、この書類は最後の記入から3年間の保管義務があることも注意が必要ね
身分証がない場合はどうする?
もし、これらの身分証がない場合の対応について、書籍『誰も教えてくれない「古物商・質屋」の始め方・儲け方』-野沢一馬には「そうしたもの(身分証)がない場合は、相手の住所、氏名、職業(勤務先の名称と役職)、年齢、それと本人のサインがはっきりと書き込まれた署名文書でもよい。」と書かれています。
しかし、以下の点には注意が必要です。
第十五条 法第十五条第一項第一号の規定による確認は、身分証明書、運転免許証、国民健康保険被保険者証その他の相手方の住所、氏名及び年齢又は生年月日を証する資料(一を限り発行又は発給されたものに限る。以下「身分証明書等」という。)の提示を受け、又は相手方以外の者で相手方の身元を確かめるに足りるものに問い合わせることによりするものとする。
2 法第十五条第一項第二号に規定する署名は、当該古物商又はその代理人、使用人その他の従業者(次項第十号及び第四項において「代理人等」という。)の面前において万年筆、ボールペン等により明瞭に記載されたものでなければならない。この場合において、古物商は、当該署名がされた文書に記載された住所、氏名、職業又は年齢が真正なものでない疑いがあると認めるときは、前項に規定するところによりその住所、氏名、職業又は年齢を確認するようにしなければならない。
古物営業法施行規則十五条より
つまり、「本人の署名でも法律的には大丈夫だけど、その署名文書が正しいかどうかの確信が持てないときには、署名文書では認められないよ」ということです。
たとえば、質問したときに年齢と生年月日が一致していなかったり、架空の住所を書いているような素振りが見られたり、対面でやり取りをしていて「怪しいな」と感じた場合は、結局なにかしらの方法で本人確認を取る必要があります。極端な話、その場で偽りの情報を書くことも出来てしまいますからね。
盗難品が出回らないように努力するのも、古物商の義務ですね!
それが出来ないと一流の古物商とは言えないわね
盗難品の売買に加担してしまわぬよう、しっかりと確認をするのじゃ
古物台帳と本人確認書類の保管方法
古物台帳と本人確認書類が大事なのはわかったけど、どこにしまっておけばいいんですか?
もしかして、毎回おまわりさんへ提出しりするんでしょうか・・・?
まさか
そんな面倒なことはしなくていいけど、すぐに出せるところにはあったほうがいいわ
さて、取引の際に作成した古物台帳と本人確認書類ですが、どこに保管をしておけば良いのでしょうか。
取引の回数が増えれば増えるほど、その情報も膨大な量になっていきます。
結論:すぐに提出できる場所であればどこでもOK。
なんのための古物台帳、本人確認書類なのか?ということを考えるとイメージがしやすいのですが、そもそも、古物台帳と本人確認書類は、警察の捜査の協力時に必要になります。
先に述べたように、盗難品の情報などが警察に出回った際にこの古物台帳・本人確認書類を照らし合わせて捜査をするのです。
そのため、警察の捜査にすぐに協力ができれば、引き出しの中でもパソコンの中でも大丈夫です。
いずれにせよ、「警察署へ届出をおこなっている、実際に営業している場所」に保管しておく必要はあります。
注意点
古物台帳と本人確認書類が同じページ(データ)で保管ができればいいのですが、そうもいかない場合もあります。
その場合は、古物台帳と本人確認書類がスムーズに照らし合わせられるよう、番号などを割り振るようにしましょう。
目的は「万が一の時、捜査協力するため」ですので、しっかりと古物商の義務を果たせるよう努めることが必要です。
まとめ
- 古物商として売買をする場合には、古物台帳と本人確認書類の保管が必要。
- 古物台帳と本人確認書類は、警察から提示を求められたときにすぐに出せる場所に保管する。
- これらの書類は一つにまとめなくても良いが、どの商品を誰が買ったのかを明確にできるよう番号などで割り振ることがポイント。
細かなルールの違いも地域によってはあるから、心配なときは管轄の警察署へ問い合わせてみるのも一つの手じゃ
ギョウカイノ ルール マモルジョ!