最近話題の「eKYC」という言葉。どこかで見聞きしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
いーけーわいしー?
なんですかそれは?
アナタ、eKYCも知らないの?
はじめて聞きました・・・
でも、僕には関係なさそうなので大丈夫です!
何いっているの
古物商でもeKYCを知っていて損はないわよ
せっかくだから教えてあげるわ
eKYCとは
個人情報を扱うサービスや犯罪防止のためには本人確認が必要です。
本人確認というと指定の窓口へ行き、直接免許証などを提示する方法がイメージしやすいですが、オンライン(スマホ)で本人確認ができるようになっているのはご存知でしょうか。
そして、オンラインで本人確認ができる技術やサービスのことを「eKYC」と呼びます。
そんなeKYCの基礎を知るために、まずは言葉の意味や利用シーンなどをみていきましょう。
eKYCの語源
eKYCとは【electronic Know Your Customer】という単語の頭文字を取った言葉で、「電子的に顧客を知る」のような訳し方をします。
「イーケーワイシー」と読み、口座開設やクレジットカードの発行などのタイミングで必要な本人確認を電子的(オンライン)におこなうことを指す言葉です。
利用シーン
銀行口座の開設やクレジットカードの作成・発行には本人確認が欠かせません。
これらの本人確認は非対面でも可能ですが、役所へ行って必要書類を揃えたり、郵送の手続きをしたりと利便性は決して良くありませんでした。
そこで、オンラインでも本人確認ができるようになったのがeKYCです。
ふーん
なんかよくわからないけど、世の中が便利になるのはいいことですね!
アナタ、まだ気づかないの?
古物商にも応用できそうな部分があるでしょう
え?古物商にも・・・?
あ!本人確認だ!
気づいてくれてよかったわ
すでにeKYCを導入している企業もあるのよ
古物営業法に対応したeKYCパッケージはこちら! https://lp.interreuse.com/ekyc/
eKYCができた背景
これまで本人確認の基本は、対面での実施によるものでした。
しかし、2018年11月に犯罪収益移転防止法施行規則の法改正があり、eKYCでのオンラインの本人確認が可能になったのです。
法改正の目的
犯罪収益移転防止法(以下、犯収法)は、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」として位置付けられており、
・マネーロンダリング(資金洗浄)
・テロ資金提供
などの犯罪行為を防止する目的があります。
eKYCを使うメリットは?
eKYC登場の背景や概要がわかってきたところで、企業側がeKYCを導入することによる3つのメリットを知っておきましょう。
1.リードタイムの短縮
従来であれば、本人確認といえば面倒なイメージがありました。
住民票を取得しに役所へ行ったり、転送不要(本人限定受取)などの指定をして郵送の手続きをおこなったり・・・。
ユーザー側からしてみると、かなりの手間がかかっていました。
そのうえ、役所が開いている時間になかなか行けなかったり配達に時間がかかったりで結局サービス開始までに数日〜数週間を要します。
しかしeKYCでは電子的、すなわちスマホで本人確認が完了するためこれらの作業とサービス提供開始までに最短数分で完了するのです。
2.サービス提供までの離脱率低下
本人確認手続きやサービス提供開始までに手間と時間がかかればかかるほど、顧客の離脱率は上がっていきます。
顧客の離脱率が上がると、当然機会損失になります。
顧客にとってめんどうな手続きを省略することで、サービスの利用へ前向きな気持ちになってもらえるのです。
3.コスト削減
eKYCを導入し本人確認の手続きを電子的に済ませると、書面の印刷物が減り、ペーパーレスを推進し環境保護活動に取り組むことができます。
また、転送不要郵便などに500円ほどの費用と労力、受取までに1~2週間かかっていたものが最短数分で完了するものもあります。
さらに、本人確認に関する一連の手続きがオンラインで完了することで必要工数が減り、人件費の削減にも繋がります。
eKYCを使うデメリットは?
先に述べたように、eKYCにはさまざまなメリットがある一方、デメリットも存在します。
顔写真付きの身分証を持っていない人
eKYCの多くは、顔写真付きの身分証(運転免許証やマイナンバーカード)を必要とします。
そのため、それらの身分証等を持っていないユーザーはほとんどのeKYCのシステムを使うことができません。
うまく撮影ができない可能性
また、本人確認のために写真撮影をする必要がありますが、ピントが合っていなかったり写真がブレていたり、光の反射などで文字が読み取れないなどの条件下ではうまく認識することができません。
慣れない作業なうえ、何度も取り直しになってしまうとユーザーにとってはストレスを感じ、離脱につながることも考えられます。
eKYCによる本人確認の種類
eKYCによる本人確認の種類は、犯収法により以下の4つが定められています。
- 当該顧客等又はその代表者等から、特定事業者が提供するソフトウェアを使用して、本人確認画像情報の送信を受ける方法
- 当該顧客等又はその代表者等から、特定事業者が提供するソフトウェアを使用して、本人確認用画像情報の送信を受けるとともに、当該顧客等又はその代表者等から当該顧客等の写真付き本人確認書類に組み込まれた半導体集積回路に記録された当該情報の送信を受ける方法
- 当該顧客等又はその代表者等から、特定事業者が提供するソフトウェアを使用して、本人確認用画像情報の送信を受け、又は当該顧客等若しくはその代表者等に当該ソフトウェアを使用して読み取りをさせた当該顧客等の本人確認書類に組み込まれた半導体集積回路に記録された当該情報の送信を受けるとともに、次に掲げる行為のいずれかを行う方法
- 当該顧客等から、電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律、第三条第六項の規定に基づき地方公共団体情報システム機構が発行した署名用電子証明書及び当該署名用電子証明書により確認される公的個人認証法第二条第一項に規定する電子署名が行われた特定取引等に関する情報の送信を受ける方法
上記4通りの中で①はスマホのみで完結するため、広く活用されています。
②の方法についても、NFC対応のスマホであれば活用可能です。
そのほかの方法は、導入に手間やコストがかかることが難点です。
eKYCの信頼性
「スマホで完結するのは便利だけど、なりすましとかの可能性はないの?」
そう感じる方も少なくないと思います。
確かに相手の顔が対面で見えない分、不安に思うこともありますが、eKYCでは簡単にはなりすましができない技術があるのです。
読み取り方
eKYCの中には、その場でカメラが起動し、リアルタイムでユーザーへ指示が送られるものがあります。
「首を振ってください」や「 カメラを近づけてください」などの指示通りにユーザーが動くことにより、信頼性を担保しています。
また、 身分証の写真を撮るときには、 表面や裏面はもちろん、角度をつけて写真を撮ることでカードの厚さなどを確かめることも行います。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、eKYCの基礎やメリットデメリット・種類について解説しました。
- eKYCとは、オンラインで完結する本人確認サービス
- これにより、サービス提供までの時間短縮・ユーザーの負担軽減が可能になった
- しかし、顔写真付きの身分証明証がない人は利用ができないなどの課題もある
今後、マイナンバーカードの普及やeKYCシステム自体の進化により、ますます活躍の場が広がることは間違いないでしょう。
そうなると、提供者側としては考えなくてはならないことがいくつかあります。
「自分の業務にはどう取り入れる?」
「顧客の情報管理は?」
「どうやって始めれば?」
「法律の要件は?オペレーションは?」
このように、もし導入に興味があり、少しでも疑問をお持ちの方は、まずはお気軽にご相談ください。
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