世の中には、精巧に作られたブランド商品のスーパーコピーがある一方、明らかに正規品ではないものも当然あるわけです。このブログでは、その明らかにNGな子たちの爆笑オカシイ集と称して「規格外シリーズ」を公開していきます。
ちょっとブランドものが好きな素人なら分かるやっちまってる規格外な子たちをお楽しみください!
「規格外」とは?
良く耳にする「このブランド商品は偽物」というフレーズですが、本物か偽物かを断定できるのは商標権を持つブランドの正規店や代理店のみです。よって、それ以外の質屋や買取店などは疑わしきものを規格外と呼び買取をお断りします。
このブログ記事では、買取で出会った規格外の商品を撮影・記録したものを、解説と共にお届けします。
ダミエ レコレーターに似ているけど、そもそもモノグラム…
栄えある第1回目のNGな子は、ヴィトン好きなら一目で規格外と分かるバッグよ
このバッグ、「正規品」で見たことあるヴィトン愛好者はいないはず。と言いますのも、この種類のヴィトンバッグは存在しません。
ヴィトンを少しでも知っている方なら周知の事実ですが、ヴィトンの商品には形によって「名前」がついています。有名な所ですと「キーポル」「スピーディ」「アルマ」でしょうか。
数ある種類の中から、この規格外バッグが該当する種類はありません。
形はダミエ レコレーターに似ていなくもないですが、そもそもダミエ(キャンバス:生地の名前)でしか作られていない種類になります。全体的にはモノグラム ミニ・ルーピングに似てますが、ハンドルではなくストラップがついているので別物だというのは明白です。底部分だけ見るとモノグラム トロターに似ています。
このように、色々なヴィトンバッグの種類を取って付けたこのバッグは、ヴィトン好きなら「偽物だ!」と一目瞭然です。
その他の規格外ポイント
このバッグがヴィトンのどの種類にもないので規格外なのは分かりましたが、それ以外にも分かりやすいポイントはありますか?
もちろん、あるわよ
次に挙げる箇所でおかしい所を探してみましょう
モノグラムキャンバスの使い方
まずはこの画像から
キャンバスの使い方でやっちゃってる箇所は分かるかしら?
真っ直ぐ切られてますし、特にこれと言ってないように見えます
甘いわね!ヴィトンはハイブランドよ?商品への愛が半端ないのよ…
そんなヴィトンが絶対にやらない事をこの規格外バッグはやっちゃってるわ
わかりましたか?
モノグラムキャンバスの使い方の違いは分かりやすいポイントの一つです。
答え合わせ
- モノグラムキャンバスは必ず左右対称で使われます。画像の上部赤丸で囲っている部分を見ると分かりますが、モノグラムキャンバスが綺麗に左右対称で使われていません。中心が若干左にずれているのが確認できます。
- フロント部分にフラップやつなぎ目のあるタイプの場合、中央赤丸で囲っている部分が確認ポイントになります。フラップと本体の境目部分は、必ず1枚のモノグラムキャンバスで見た柄と同じになります。
たしかに、規格外のバッグはフラップと本体キャンバスの柄が合ってませんね
すごく分かりやすいです
また、ルイヴィトンは「LV」の文字ロゴをとても重要視しているため、特に正面部分のモノグラムキャンバスでLV文字部分を切る事はしません。多くの商品でLVロゴ部分を商品の中心や目立つ場所に配置するか、バッグの端でLVロゴが見切れないようにモノグラムキャンバスを使用します。
さすがハイブランドね
採算度外視した商品への愛が感じられるわ
正規品での例はルイヴィトンの公式サイトにてご確認ください。
縫製・ステッチの方法
次はこの刻印タグを見てやっちゃってる箇所は分かるかしら?
これは酷いですね…
裁縫が上手な素人よりも雑な気がします
そう、もうこれは見た瞬間「やっちゃってるわね…」とつい声が出たわ
正規品のルイヴィトンのステッチは間隔もほぼ均等でキレイに揃っていて、思わず「綺麗…」と言ってしまうほどよ
見たことがない方は是非公式サイトをチェックしてみて
答え合わせ
- ルイヴィトンの縫製はレザーに一度糸を通すための穴を開け、その後に糸を通しています。糸を通す際は直線ではなく、わずかに斜めになっているのもポイントで、縫い糸は3mm間隔です。ただし使用される糸は素材やデザインによって異なります。
この規格外バッグについている刻印タグを見てみると、「雑」な作りだという事がはっきりと分かります。
縫い糸の間隔はバラバラで、縫い向きも統一されていません。タグ自体も形がいびつで、中途半端な位置に取って付けたように縫い付けられています。正規品ですと、穴は等間隔に空いていますし、角や縫い合わせ箇所にしっかりと穴がくるように計算されています。生地の端と縫い糸との間隔も均等ではなく、雑としか言いようがありません。
刻印のポイント
タグの刻印でもやっちゃってる点があるの気付いたかしら?
中心部分だけ押しが深いですよね!
答え合わせ
- 刻印は全体的に同じ深さです。
- LOUIS VUITTONの刻印にある「O」は真円になり、製造国の刻印と製造番号から読み取る国名は一致します。
このバッグの刻印は場所によって深さが違います。また、この規格外には刻印を押した際にできる「バリ」が所々残っており、正規品ではまず見られません。さらに、LOUIS VUITTONの刻印にある「O」が縦長になっています。
LOUIS VUITTONの「O」が真円なのは有名な話よね
「偽物」ブランド品の取り扱いには注意が必要
第1回目の規格外シリーズ、いかがでしたか?
今後も、買取で出会ったやっちまってる規格外商品をお届けしますので、お楽しみに!
- 個人・法人関係なく、ブランド品が「偽物」だと分かっていて売るのは犯罪です
- 古物商は、ブランド品が「偽物」だと分かっていて買い取った場合、警察に届ける義務があります
- ブランド品が「偽物」と知っていて購入した場合でも、個人的に利用するだけなら犯罪ではありません
- ブランド品が「偽物」と知っていて、転売目的で購入(買取・仕入れ)するのは犯罪です